安いそれに目立つ デザインの先進性で驚かされたR-820の後継機？　ソニー5R-91 ラジオ

63年発売と思われる2バンド(MW、SW)モデルです。ソニーのカタログを見ると定価は¥7800でした。以前此方でデザインの先進性に驚かされたと記載した同じソニーのR-820とデザイン的には殆ど選ぶところがありません。ほぼそっくりと言って良く、一寸驚きました。同じ8トランジスタ、同じ2バンドでダイヤルスケールとモデル名以外は同じと言って良いでしょう。定価は¥7800で￥6300で出されていたR-820より心持ち高くなっています。ネットで落札して届いたのは非常に程度の良い個体で、全体に殆どキズも汚れも無く、唯一スピーカー前面に可成の埃が溜まっている程度でした。正に当時としては群を抜く洗練されたデザインで、65年に発売されてラジオのソニーの基礎を築いたソリッドステート11の斬新なデザインの萌芽が既にこのモデルに有った事がよく分かります。濃い紺色とシルバーの2トーンのシンプルで洗練されたデザイン、8石オールトランジスタ(但し全てゲルマニウムトランジスタで高温に弱く大出力は出来ない)の構成です。アクセサリは少なめですが、短波用にファインチューニング機構が有り、2段とシンプルながらトーンコントロール、更にはダイヤルライトまでついています。スピーカーはツボ型ヨークのアルニコで5x9cmの楕円型。コーン紙のカーブが非常に深い特殊な構造です。出力は180mW、最大280mWと小さめですが、AM、SWにしてはという条件付きながら非常に良い音がします。AW、SWの感度が望外に良いのも驚いた点です。意外にもこの斬新なデザインが受けなかったのか、ソリッドステート11までこの類似の意匠でのモデルは無かった様ですが、この時代のアメリカのGE、イギリスのBush等のラジオを見るとこのラジオの先進性は正に驚くべきものがあります。この個体は上述の様に元の状態が良く、不具合も殆ど無かった為、簡単なクリーニング、接点復活、シリコンオイルによる磨き程度しか手を加えていません。前面にパネルダイヤルスケールの少し上に一ヶ所小さな凹みがあり、アルミ部分に多少のくすみが有りますが、それ以外は理想的と言って良い状態です。電池付。超マニア向けですが、R-820程の希少性は無いかと思う(もしかして逆か？)ので心持ち安めです。マニア向け。

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